ナフサ不足は現在どうなっている?太陽光・蓄電池への影響と今後の見通し
こんにちは。石川県・福井県で太陽光発電や蓄電池の導入をご検討中の方へ。
前回の記事では、太陽光発電や蓄電池がナフサ不足の影響を受けるのかについて解説しました。
太陽光パネルや蓄電池そのものは、ナフサだけで作られているわけではありません。
しかし、太陽光パネルの封止材やバックシート、シール材、蓄電池まわりの樹脂部材、配線、梱包材、配送など、石油由来の素材や物流コストと関係する部分は少なくありません。
では、前回の記事から現在にかけて、ナフサ不足の状況はどう変わっているのでしょうか。
今回は、2026年6月時点で分かっている情報をもとに、ナフサ不足の現状と、太陽光発電・蓄電池への影響について改めて整理します。
目次
結論:ナフサ不足は改善傾向。ただし完全に安心とは言えない状況
まず結論から言うと、ナフサ不足は一時期に比べると改善傾向にあります。
経済産業省は、原油や石油製品について、日本全体として必要となる量は確保できており、年度を越えて来年春まで安定供給を確保できる見通しだと説明しています。
また、ナフサについても、代替調達や在庫活用、輸入拡大などにより、必要量を補う対応が進められています。
そのため、現時点では「ナフサ不足によって、太陽光発電や蓄電池がすぐに入らなくなる」という状況ではありません。
現在の状況を一言でいうと
最悪期よりは改善しています。
ただし、一部では供給の偏りや流通の目詰まりも残っており、完全に通常通りとは言い切れない状況です。
つまり、必要以上に不安になる必要はありません。
一方で、原油価格、物流費、石油化学製品の価格は、今後も中東情勢や輸送ルートの影響を受ける可能性があります。
太陽光発電や蓄電池を検討している方は、価格や納期、在庫状況を早めに確認しておくと安心です。
ナフサの国内生産は7月ごろの回復が目安
ナフサの状況を見るときは、国内生産量と供給量を分けて考える必要があります。
経済産業大臣の会見では、ナフサの国内生産量は定期修理の影響で落ち込んでいるものの、定期修理の集中期間が終わる7月ごろには例年並みに戻る見通しだと説明されています。
一方で、国内生産が一時的に落ち込んでいても、中東以外からの輸入拡大、在庫の活用、ポリエチレンなど中間段階の化学製品の輸入、川中・川下製品の輸入増加によって、全体としての供給量は補われています。
ナフサの現状
- 国内生産は定期修理の影響で回復途中
- 輸入や在庫活用で供給を補っている
- 7月ごろに国内生産が例年並みへ戻る見通し
- ただし、流通の偏りや目詰まりには注意が必要
つまり、ナフサの状況は、「国内生産はまだ回復途中だが、輸入や在庫活用で供給を補っている」という見方ができます。
このため、太陽光発電や蓄電池についても、すぐに供給が止まるというより、部材価格や物流費の変動に注意する段階と考えるのが現実的です。
ホルムズ海峡の通航も回復傾向。ただし平常時には戻っていない
ナフサ不足の背景には、中東情勢やホルムズ海峡の通航不安があります。
ホルムズ海峡は、原油やLNGなどのエネルギー資源が多く通る重要な海上ルートです。
そのため、ホルムズ海峡の通航に不安が出ると、原油価格、燃料費、物流費、石油化学原料の調達に影響が出やすくなります。
ロイターの報道では、ホルムズ海峡を通過する原油輸送には回復の兆しが見られる一方で、現在の通航量は紛争前の水準を大きく下回っているとされています。
ホルムズ海峡の見方
通れるようにはなってきています。
ただし、完全に通常運転へ戻ったわけではありません。
そのため、今後もエネルギー価格や物流費の変動には注意が必要です。
石川県・福井県の住宅に直接ホルムズ海峡が関係しているようには見えないかもしれません。
しかし、原油や石油化学製品の価格は、住宅設備の資材費や配送費にもつながります。
太陽光発電や蓄電池も、設備本体だけでなく、架台、配線、梱包材、輸送、工事資材などを含めて成り立っています。
そのため、海外のエネルギー情勢は、間接的に住宅設備の価格や納期へ影響する可能性があります。
太陽光発電への影響は「直接」よりも「間接的」
太陽光発電については、ナフサ不足がそのまま太陽光パネル不足につながるわけではありません。
太陽光パネルの主な構成要素は、太陽電池セル、ガラス、アルミフレーム、封止材、バックシート、シール材などです。
発電の中心になるのは太陽電池セルですが、パネルを長期間屋外で使うためには、セルを守る部材も欠かせません。
代表的なものが、EVA封止材です。
EVAはエチレン酢酸ビニル共重合樹脂のことで、太陽電池セルをガラスやバックシートに接着し、湿気や衝撃から守る役割があります。
| 太陽光発電で関係する部材 | 役割 | ナフサ不足との関係 |
|---|---|---|
| EVA封止材 | 太陽電池セルを保護し、ガラスやバックシートと接着する | 石油化学由来の樹脂と関係が深い部材です |
| バックシート | パネル裏面を保護し、絶縁性や耐候性を高める | PETやPVFなどのフィルム系材料が関係します |
| シール材 | 防水性や耐久性を高める | 樹脂や接着剤系の材料価格に影響される可能性があります |
| 配線・ケーブル | 発電した電気を安全に送る | 被覆材に樹脂材料が使われます |
| 梱包材・配送 | 輸送時の破損を防ぎ、現場へ届ける | 発泡材、フィルム、燃料費、物流費が関係します |
このように、太陽光パネルには高分子材料、つまり石油化学由来の素材が使われている部分があります。
そのため、ナフサや石油化学製品の供給が不安定になると、太陽光発電設備の一部部材、梱包材、配送費、工事関連資材などに影響が出る可能性はあります。
太陽光発電への影響の考え方
「ナフサ不足で太陽光パネルがすぐに手に入らなくなる」というより、
資材価格や物流費が変動しやすい状況が続いていると考える方が現実的です。
石川県・福井県で太陽光発電を検討する場合は、パネルの在庫だけでなく、工事時期や補助金の申請タイミングも含めて確認しておくことが大切です。
蓄電池への影響は、ナフサよりも電池材料や需要動向が大きい
蓄電池については、ナフサよりも、リチウム、リン酸鉄、ニッケル、コバルト、黒鉛などの電池材料の影響が大きくなります。
さらに、世界的な蓄電池需要、中国メーカーの生産状況、為替、物流費なども価格や納期に関係します。
経済産業省の資料では、2030年時点の世界全体の蓄電池需要について、調査機関によって見通しに幅があり、政策変更や市場環境によって変化している状況が示されています。
また、ロイターは、エネルギー貯蔵向けのリチウム需要が2026年に大きく伸びる見通しだと報じています。
蓄電池で特に影響が大きい要素
- リチウムやリン酸鉄などの電池材料
- 世界的な蓄電池需要の拡大
- 中国メーカーを中心とした生産動向
- 為替や輸送費の変動
- 住宅用蓄電池の国内在庫
つまり、蓄電池については、ナフサ不足だけで価格や納期が決まるわけではありません。
むしろ、世界的な蓄電池需要の拡大や、リチウムなどの電池材料の価格動向の方が大きな要因になります。
ただし、蓄電池も住宅設備である以上、筐体、配線、樹脂部材、梱包材、輸送費などの影響は受けます。
そのため、蓄電池についても、「ナフサ不足で直接的にすぐ入手困難になる」ではなく、原材料費や物流費の変動要因のひとつとして注意が必要と考えるのがよいでしょう。
今、太陽光・蓄電池を検討する意味
今回のナフサ不足は、少しずつ改善に向かっていると見られます。
しかし、今回の件で改めて分かったのは、私たちの暮らしが原油、LNG、ナフサ、石油化学製品、物流と深くつながっているということです。
中東情勢が不安定になると、原油価格や燃料費、物流費、電気代、住宅設備の資材価格に影響する可能性があります。
太陽光発電や蓄電池を検討する理由は、「ナフサ不足で今すぐ設備が買えなくなるから」ではありません。
今、考えたいこと
大切なのは、電気代や燃料費、原材料価格が変動しやすい時代に、
自宅で電気をつくり、貯めて使える備えを持つことです。
太陽光発電があれば、日中に自宅で電気をつくることができます。
蓄電池があれば、太陽光でつくった電気を夜間や停電時にも使いやすくなります。
つまり、太陽光発電と蓄電池は、電気代対策だけでなく、災害時やエネルギー価格の変動に備える設備としても注目されています。
特に石川県・福井県では、冬場の積雪、大雨、強風、停電リスクなども考慮する必要があります。
日中につくった電気を自宅で使い、余った電気を蓄電池に貯めておくことで、暮らしの安心感を高めることができます。
太陽光・蓄電池を検討するメリット
- 日中の電気を自宅でつくれる
- 蓄電池と組み合わせると夜間や停電時にも使いやすい
- 電気代の変動に備えやすい
- 災害時の安心につながる
- 補助金を活用できる可能性がある
もちろん、すべての住宅に同じ設備が合うわけではありません。
屋根の向き、日当たり、電気使用量、家族構成、停電時に使いたい家電、補助金の条件などを確認したうえで、無理のない計画を立てることが大切です。
まとめ:現在は改善傾向。ただし備えの重要性は変わらない
ナフサ不足は、現時点では一時期より改善傾向にあります。
経済産業省は、原油や石油製品について、日本全体として必要となる量を確保できており、年度を越えて安定供給を確保できる見通しだと説明しています。
また、ナフサについても、国内生産の回復、代替調達、在庫活用、関連製品の輸入などにより、供給を補う対応が進められています。
一方で、一部では供給の偏りや流通の目詰まりが残っており、ホルムズ海峡の通航も完全に平常時へ戻ったとは言えません。
そのため、太陽光発電や蓄電池についても、今すぐ大きな供給不安があると断定する状況ではありませんが、原材料費や物流費、電気代の変動には引き続き注意が必要です。
電気をすべて買い続ける暮らしから、自宅でつくって使う暮らしへ。
今後もエネルギー価格や資材価格が変動する可能性がある中で、この考え方はますます重要になっていくのではないでしょうか。
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