蓄電池はその特性上、カタログに記載されている容量全てを充放電することはできません。
その原因は、2つあります。
①電力変換効率
太陽光発電で作る電気は直流ですが、商用電源や家庭内の電気は、すべて交流電流です。
しかし、リチウムイオン蓄電池は直流で充放電を行うので、交流からの充電・交流への放電の際に、それぞれ電力を変換しなければなりません。その変換効率がおよそ95%程度なので、充放電でそれぞれ5%分の損失があるのです。
これが、変換効率による電力損失です。
②放電深度
放電深度とは、容量に対する放電量の割合であり、DOD(Depth of Discharge)とも呼ばれます。
この放電深度は、充放電を繰り返す蓄電池の劣化と密接にかかわっており、放電深度が深いほど劣化が進行していき、電池が大きなダメージを受けます。
そこで、家庭用蓄電池では、およそ70%に設定されています。
以上により、例えばカタログ値で10kWhと記載されていても、
実際に使用できる容量は、
10kWh × 95% × 70% × 95% =6.32kWh
となってしまうので、注意が必要です。
■蓄電池の仕組みとは?
蓄電池は、再生可能エネルギーの利用を促進し、電力の安定供給を実現する重要な役割を果たしています。その基本原理は、太陽光や風力などから得られた電力を化学エネルギーとして貯蔵し、必要な時に電気エネルギーとして供給することにあります。鉛蓄電池やリチウムイオン電池など、複数の種類がありますが、それぞれの特性を理解し、最適な選択を行うことが重要です。
■充電と放電のメカニズムを理解しよう
2.1 充電の過程と注意点
蓄電池の充電は、化学反応によって電気エネルギーを蓄える過程です。過充電や過放電による劣化を防ぐため、適切な充電制御が欠かせません。また、充電効率を向上させるためには、充電時の温度管理や定期的なメンテナンスが必要です。
2.2 放電の仕組みと効率的な使い方
蓄電池の放電は、貯蔵された電気エネルギーを外部に供給する過程です。放電時にも、適切な制御が重要であり、電力の需要と供給をバランスさせることが求められます。効率的な使い方を実現するためには、放電時の電圧管理や負荷の適切な管理が不可欠です。
■ロスを最小限に抑える方法とは?
3.1 ロスの種類と原因
蓄電池のロスは、充放電過程や電気変換過程で生じる損失を指します。内部抵抗や温度上昇などが主な原因となります。これらのロスを最小限に抑えるためには、蓄電池の効率的な運用や定期的な点検・メンテナンスが欠かせません。
3.2 効果的なロス削減のためのTips
ロスを抑えるためには、適切な蓄電池の容量設計や運用計画が重要です。また、劣化や故障の早期発見・修復が必要です。さらに、太陽光や風力の発電パターンに合わせた最適な充放電制御を行うことで、効率的なエネルギー利用が実現できます。
【まとめ】
蓄電池の利用によって、再生可能エネルギーの有効活用が可能となりますが、その効率的な運用には深い理解と適切な管理が必要です。本記事では、蓄電池の基本原理からロスの削減方法までを解説しました。是非、これらの知識を活かして、持続可能なエネルギー利用を実現してください。